Claude Codeの変更履歴を自動で日本語解説するサイトを作った
Claude Codeは更新頻度が高く、英語のCHANGELOGを毎回追うのは大変です。日本語で自動解説してくれるサービスが見当たらなかったので、Gemini APIとGitHub Actionsで更新処理を自動化したWebサイトを作りました。
目次
私は毎日のようにClaude Codeを使っています。使い倒しているからこそ、アップデートの内容は気になります。新機能が追加されれば自分が開発しているサービスで効率よく実装するためにも取り入れたいですし、気になるバグ修正があれば「あの挙動、直ったのかな?」と確認したくなります。
ただ、Claude Codeの更新頻度はかなり高いです。2026年1月だけで23回のリリースがありました。そのたびに英語のCHANGELOG1を開いて、項目を1つずつ読んで、「これは自分に関係あるかな?」と判断しなければなりません。いくら興味があるとはいえ、毎回やるのはしんどいです。
でも、CHANGELOGを全部追わなくても実務は回ります。大きな改修(たとえばスキルの導入など)があれば自分からキャッチアップしなくても自然と情報が入ってきますし、情報が出回った後に必要な部分だけ確認すれば十分です。わざわざ毎回CHANGELOGを確認するのは、割に合わないと思う人のほうが多いでしょう。私もそう思います。
1つだけ気になっていたことがありました。CHANGELOGの各項目に「それによって自分の作業がどう変わるのか?」が書かれていたら、追う価値があるかを一瞬で判断できます。
そんなサービスを探してみましたが、見当たりませんでした。
ということで作りました。
Claude Code Changelog Viewer
サイトはこちらです。
Claude Code Changelog Viewer - AIによる変更履歴の分析と解説
Claude Codeの全バージョンの変更履歴をAIが分析し、各アップデートの内容とユーザーへの恩恵を日本語で分かりやすく解説するWebサイトです。

GitHubリポジトリも公開しています。
GitHub - Suntory-N-Water/claude-code-changelog-viewer: Claude Code の更新履歴を分かりやすく表示する Web サイト。
Claude Code の更新履歴を分かりやすく表示する Web サイト。. Contribute to Suntory-N-Water/claude-code-changelog-viewer development by creating an account on GitHub.
やっていることはシンプルで、Claude Codeの公式CHANGELOGを自動で取得して、AIが日本語に翻訳し、各変更がユーザーにとってどんな恩恵があるかを解説するサイトです。
GitHub Actionsで毎時実行されるので、新しいバージョンがリリースされれば自動的に反映されます。私が手動で何かする必要はありません。
「変更前 / 変更後 / 恩恵」で伝える
CHANGELOGの項目は、「Added support for X」「Fixed Y when Z」のような1行の記述が並んでいるだけです。開発者向けの記録としては十分ですが、「それで自分の作業がどう変わるのか」がぱっと見ではわかりにくいと感じます。
そこで、このサイトでは各変更を「変更前はどうだったか」「変更後にどうなったか」「ユーザーにとっての恩恵は何か」の3点セットで表示するようにしました。
たとえば v2.1.41 の改修であった「Added claude auth login, claude auth status, and claude auth logout CLI subcommands」というCHANGELOGの項目を考えてみます。
これだけだと「認証関連のCLIコマンドが追加された」としかわかりません。
ですがこのように説明されれば、自分に関係あるかどうかがすぐにわかります。
- 変更前は認証状態の確認やログアウト操作を、明確なCLIサブコマンドを通じて直接実行する手段が限られていた。
- 変更後は
claude auth login/status/logoutコマンドにより、ターミナルから直接、現在の認証状況の確認やアカウントの切り替えが可能になった。 - これにより、複数の環境やアカウントを使い分ける際、現在のログイン状態をすばやく把握し、安全に認証管理を行えるようになった。
この推論にはGemini APIを使っています。CHANGELOGの各項目に対して、関連する公式ドキュメントの記述を検索して添えた上で、AIに「変更前/変更後/恩恵」を推論させるしくみです。
一部の改修では関連ドキュメントがない場合があります。AIのハルシネーションを抑えるためにも、そういった場合には推論は行わず、日本語訳だけを表示するようにしています。
開発で工夫したこと
最初は、CHANGELOGの変更項目を1つずつGemini APIにリクエストしていました。でも、項目が多いと一瞬でリクエストが集中してしまいます。そこで、1回のリクエストですべての推論・翻訳・サマリーをまとめて処理する方式に変えました。
また、Gemini APIを選んだのは、無料で使えて性能がよく、セットアップが楽だったからです。
ただ、無料枠にはレート制限があります。Gemini APIの無料枠は1分あたり4リクエストに制限されているため、複数バージョンが同時に検出された場合や、リトライが発生した場合はすぐ上限に達してしまいます。そこで、フォールバック先のモデルを複数用意しました。メインのモデルが429エラー(レート制限)を返したら次のモデルに切り替え、それもダメならさらに次へ、という構成です。加えて、Geminiの思考トークン(thinking)を無効化することで、トークン消費を抑えています。
無料で安定運用するには、APIをただたたくだけでは足りず、制限の中でやりくりするしくみが必要でした。
詳細なソースコードはこちらを確認してください。
claude-code-changelog-viewer/apps/changelog-fetcher/src/ai/gemini-client.ts at main · Suntory-N-Water/claude-code-changelog-viewer
Claude Code の更新履歴を分かりやすく表示する Web サイト。. Contribute to Suntory-N-Water/claude-code-changelog-viewer development by creating an account on GitHub.
自動化のパイプライン
- GitHub APIからCHANGELOG.mdを取得してバージョンごとに分割する
- 各項目をパース2して、キーワードを抽出する
- 抽出したキーワードでローカルに保存された公式ドキュメントを検索して、関連する記述をスニペット3として取得する
- 関連ドキュメント付きでGemini APIに投げて、日本語翻訳と「変更前/変更後/恩恵」を推論させる
- 推論結果をAstroの
content/配下にシンボリックリンクとして保存する - 処理終了後、自動で
git pushを行い、Astroの静的サイトとしてビルドして、Cloudflare Workers4にデプロイする
これがGitHub Actions5で毎時実行されます。新しいバージョンが検出されなければ何もしないので、無駄な実行コストは発生しません。
また、バージョンごとの内容をSHA256でハッシュ化して前回の値と比較し、本当に中身が変わった場合だけ再処理する冪等性6を担保しています。CHANGELOGは過去のバージョンの記述が後から修正されることもあるので、「新バージョンかどうか」だけでなく「内容が変わったかどうか」で判断する必要がありました。
プロジェクトはpnpmワークスペースによるモノレポ7構成で、フロントエンド(Astro)・CHANGELOG解析・ドキュメント追跡の3つのアプリケーションに分かれています。
気になる人はGitHubリポジトリを見てみてください!
まとめ
- Claude Codeは更新頻度が高く、英語のCHANGELOGを毎回追うのは現実的ではない
- 自動で日本語かつわかりやすく変更内容を紹介するサービスが見当たらなかったので作った
- 「変更前/変更後/恩恵」の3点セットで表示することで、各変更が自分に関係あるかをすばやく判断できるようにした
- GitHub Actionsで毎時実行する自動化パイプラインにより、運用の手間はほぼかからない
参考
GitHub - anthropics/claude-code: Claude Code is an agentic coding tool that lives in your terminal, understands your codebase, and helps you code faster by executing routine tasks, explaining complex code, and handling git workflows - all through natural language commands.
Claude Code is an agentic coding tool that lives in your terminal, understands your codebase, and helps you code faster by executing routine tasks, explaining complex code, and handling git workflo...
Footnotes
-
ソフトウェアの変更履歴をまとめたファイル。バージョンごとに追加機能・修正内容などが記録されている。 ↩
-
テキストデータを解析して、プログラムが扱いやすい構造に変換すること。ここではCHANGELOGの文章を項目ごとに分解する処理を指す。 ↩
-
テキストやコードの短い抜粋のこと。ここでは公式ドキュメントから関連する部分だけを抜き出したものを指す。 ↩
-
Cloudflareが提供するサーバレス実行環境。Webサイトを世界中のエッジサーバから高速に配信できる。 ↩
-
GitHubが提供するCI/CD自動化サービス。cronスケジュールで定期実行も可能。 ↩
-
同じ操作を何度実行しても結果が変わらない性質のこと。ここでは、同じバージョンのCHANGELOGを何度処理しても同じ出力が得られることを指す。 ↩
-
複数のアプリケーションやライブラリを1つのリポジトリで管理する構成のこと。pnpmワークスペースは、この構成を効率的に管理するためのpnpmの機能。 ↩
理解度チェック
問題1: このサイトでは、CHANGELOGの各変更項目をどのような形式で解説していますか?
変更内容の日本語訳のみ
変更の重要度をS/A/B/Cでランク付け
変更前 / 変更後 / 恩恵の3点セット
変更内容と関連する公式ドキュメントへのリンク一覧
問題2: 関連する公式ドキュメントが見つからない変更項目に対して、このサイトはどのように対応していますか?
AI推論は行わず、日本語訳だけを表示する
AIが独自に推論して「変更前/変更後/恩恵」を生成する
該当の変更項目をスキップして表示しない
Web検索で関連情報を取得してから推論する
問題3: Gemini APIの無料枠のレート制限に対して、どのような対策を行っていますか?
フォールバック先のモデルを複数用意し、429エラー時に切り替える
リクエストを一定間隔で送信するレートリミッターを実装する
有料枠にアップグレードして制限を回避する
変更項目をキャッシュして同じリクエストを送らないようにする